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ゆとりある老後の生活をおくるために、目標額から利率をシミュレーション

2024/04/06 ライフプラン

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一昔前までは、定年後とは趣味や旅行を楽しむ人生の余暇だとされてきました。

しかし、その生活の前提にあるお金の問題が深刻化しています。下流老人という言葉も登場し、年金だけでは必要最低限の生活さえ難しいことが明らかになってきました……。

とはいえ、しっかりとマネープランを立ててさえいれば、定年を前にして慌てることはありません。むしろ、早めの準備次第でゆとりのある生活を送ることもできます。

 

ここでは、目標額の設定から、達成するためのシミュレーション方法について紹介していきます。

ゆとりのある生活にかかる費用

「ゆとりある老後の生活」とは、一体どのくらいの水準を示すのでしょうか。

生命保険文化センターの生活保証に関する調査(令和元年度)によれば、夫婦2人で老後生活を送る上で必要とされている最低限の金額は、月額平均22万1,000円です。

そして、ゆとりある老後のために必要な上乗せ額は月額平均14万円。合計して、36万1,000円がゆとりある老後に必要と考えられている平均月額です。

また、上乗せ額の使用用途は以下のような結果となりました。

 

  • 「旅行やレジャー」(60.7%)
  • 「趣味や教養」(51.1%)
  • 「日常生活費の充実」(49.6%)
  • 「身内との付き合い」(48.8%)

 

どの項目も、老後の生活において削りたくない楽しみですね。

では、1番人気のある旅行について、おおよその費用をみていきましょう。

定年後の旅行や趣味を楽しむために

最も多かった「旅行やレジャー」ですが、年に1回旅行に行くとしたら一体どのくらいの費用がかかるのでしょうか? 

旅行費の多くを占めるのは、交通費と宿泊費です。

以下に、主だった旅行先での1人あたりのおおよその交通費と宿泊費を紹介します。

 

・アジア旅行  :約5〜15万円

・ヨーロッパ旅行:約10〜30万円

・北米旅行   :約10〜30万円

・ハワイ旅行  :約10〜20万円  

・北海道旅行  :約4〜10万円

・沖縄旅行   :約4〜10万円

※平均的な旅行先に応じた宿泊数での概算です。宿泊日数や季節によって費用は変動します。

 

さらに、現地での飲食代金や観光施設の利用費、現地での移動費が加わってトータルの旅行費用が決まります。

例えば、ハワイ旅行(4〜5泊)に行くとすると、航空費とホテル代、現地での諸費用を合わせて一人あたり約30〜50万円。夫婦2人だと、60〜100万円となります。

 

老後の楽しみとして人気の旅行・レジャーですが、やはり費用はそれなりにかかるもの……。年に何回行くのか、どこに行くのか、どのぐらいの期間なのか、しっかりと1年の予算を計画して催行するべきでしょう。

 

また、2番目に多かった趣味と教養は、男性と女性でそれぞれ人気のあるものが変わってきます。

ゴルフや登山、手芸、映画鑑賞など……今から目を向けておくと、老後の楽しみが増えるとともに現在の生活も豊かなものとなるかもしれません。

 

趣味にかかる費用を知ることもできるので、今から小さく始めてみるのもいいですね。

資産づくりをはじめるなら今すぐに!

旅行、趣味、教養など……ゆとりある老後生活のために今のうちから準備したいのが「資産づくり」です。

自分の老後資金はどのくらいあれば足りるのでしょうか? 仮に、もらえる年金額が夫婦2人で月22万円だとすると、ゆとりある月生活費36万円に14万円足りません。そして、65歳から85歳までの20年間の不足額は、14万円×12ヶ月×20年=3,360万円。

 

現在30歳だとして、35年間毎月8万円ずつ貯金していかなくてはならない計算となります。今40歳の方だと25年間毎月11万2,000円です。あまり現実的な数字ではありませんよね……。

 

そこで、活用したいのが「複利運用での投資」です。

続いて、毎月の捻出額と運用利率、期間などから目標額までの達成方法をお伝えします。

目標額から「投資期間」「利率」「積立額」を決める

目標額を達成するための期間や積立額の算出方法は以下のようになります。

 

  • 捻出できる投資金額を決める

日常的な生活を破綻させずに、続けて投資できる額を毎月の収入や年収から割り出す。

 

  • 投資期間を決める

リタイアしたい年齢から逆算して、投資する期間を決める。

 

  • 資産運用シミュレーションから利率を割り出す

金融庁の資産運用シミュレーションに、毎月の積立額と利回りを入力し目標額に達するための利率や投資期間を調整する。

 

例えば、30歳なら60歳になるまでの30年間を投資期間とします。この期間中にどれだけの利率で資産をつくり、不足分を補えるのか逆算してみましょう。

年率を5%とし、毎月の積立額を4万円とすると、30年後にはおよそ3,329万円となります。かなり現実味のある数字ではないでしょうか。

 

また、40歳で投資期間を20年とした場合、年率5%、毎月の積立額4万円とすると、およそ1,644万円となります。これでは、余裕のある老後資金には足りませんね。

この場合、毎月の積立額を増やすか、利率を上げるかの選択となりますが、利率は高い分リスクを伴います。安定した資産づくりのためには利率を高くするよりも、投資期間を長くして5〜10%ほどにとどめたほうがよいでしょう。

 

早いうちから投資をはじめておくほど有利となるのは間違いありませんが、積立額を増額したり、預貯金を投資元金に入れるなどで、ある程度カバーすることはできます。

このように、自分の目標額を決めて、そこから逆算して利率を割り出せれば、自ずと投資先も具体的に決めやすくなるでしょう。

まとめ

ここまでゆとりある老後の生活費と資産づくりシミュレーションについてみてきました。

理想の老後生活は人によってさまざまです。定年後も働いて生活費の補填をすることも可能ですし、現役の今、動けるうちから資産形成を考えて老後は悠々自適に暮らすのも選択肢のひとつです。

どちらにしても、資産の余裕があるというのは、心の余裕にもつながります。

 

守りの資産をつくるには、それなりの時間がかかりますので、収入や体力に余裕のあるうちに、まずは、自分の投資スタイルを一度シミュレーションしてみてはいかがでしょうか。

 

【筆者:ワイズアカデミー(株)】

2020.6.7掲載記事

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